その唇は紅き血に濡れて
その関係は血の結びつきよりも濃く、強く
「ごめん、若!」
「さっきから随分待ってた」
「ごめんって。じゃ、帰ろっか……てあれ?どうしたの、2人とも」
背後を振り返ると、何故か仁と千石が来ていた。
おまけに2人ともが揃いも揃って若にガンをつけている。
「………………知り合いなのか、」
「うん、まぁそんなとこ。えっと…………」
「あ、いーよちゃん。俺ら顔見知りだからw日吉君でしょ?氷帝の」
「…千石さんと、亜久津……さんでしたか?」
「当ったりー」
あぁ、テニス部繋がりで?仁も一時期テニス部にいたって話だし。
「……………と、どういう関係だ?テメェ」
…なんで仁はキレかけてるんだろ?
若に腕を引張られたまま考えてみるけれど、結論が出ない。
「えっと、あたしと若は……
「パートナーです、俺とは。……じゃ、俺達は帰らせて頂きます。とは、俺が先約なので」
「あっ、おい!?」
そう告げるが速いか若はあたしを有無を言わさず引っ張っていった。
心なしか若の顔が怒っている。
「…………若ーーー?」
「……………………」
「若…………、返事しよう?泣くよ?」
「貴女はそう簡単に泣くタマじゃないだろう」
「あ、それってひどい」
「事実だ」
と語る日吉は、その様子を普段の彼を知る者が見れば驚愕しそうな微笑を浮べて、2人は家路についた。
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