その唇は紅き血に濡れて
その関係は血の結びつきよりも濃く、強く
「あっくーん……て、ちゃんもいるじゃん!ラッキー↑↑」
「あ゛ぁ!?あっくん呼ぶんじゃねぇよこのクソが……」
「まぁいいじゃない、あっくん。」
「おっ、さっすがちゃん。分ってるねぇw」
「、お前な………!」
いつも通りの放課後。
屋上にいたあたし達を探して、千石がやって来た。
「……………で、何の用だよ?っていうか、部活はどうしたんだよ。サボリか」
「やっだなー、今日は早く終わる日だよ。それよりさ、校門の所に氷帝の子がいるらしいんだけど。知ってる?俺はまだ会って無いんだけどさ。」
「氷帝…………?、心当りあるか」
そう言うと仁はあたしを見た。
あたしがこの山吹に編入して来るまで、氷帝にいたことを知っているからだ。
「えーと…………あ、あれか…………。」
差し込む西日に少し目を細めつつ、フェンスに手を突いて校門の方を見る。
すると、見覚えのある色素の薄い茶色の髪が目に入った。
あれは………………。
「……やっば!ゴメン仁。あたしもう帰るわ」
あたしは慌てて鞄を引っ掴むと屋上を出た。
「なっ、おい!?」
「あっくん、俺たちも行ってみよっか?」
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