その唇は紅き血に濡れて

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  日常のすぐそばに潜む、非日常  

「・・・・・・・・・・・・・・は、ぁっ・・・・・・・・・・」
        
              頭が痛い。
               
                   ノドが渇く。
                   
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・血が、騒ぐ。






  ケース1:亜久津 仁の場合  プロローグ








いつも通り、俺は授業をサボって屋上にいた。

ライターでタバコに火をつけると、ゆっくりと紫煙をくゆらす。

そんないつも通りの日常。




それが崩されようとしていたとは、思いつきもしなかった。



「・・・・・・・・・・・くっ、・・・・・・・う、ぁぁ・・・・」


けたたましいドアの音と共に、女子が屋上に飛び込んできた。

確か・・・・・・・・・・・・・だったか?

いくらなんでも、隣の席の奴の顔と名前ぐらいは覚えている。

眼鏡をかけていて、物静かで地味な奴で通っているらしい。

(そんな女が、屋上までサボリに来たのかよ?)

そのことに俺は何故か好奇心をそそられ、給水塔の上から
床に座り込んだを見ていた。





「・・・・・・っは・・苦・・し・・・・もぅ、ムリ・・・・・・!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっ!?」





それは、あまりにも奇妙な光景だった。

明らかには、己の腕に歯を突き立てている。

そして・・・・・・・・・・口の端からは、常人のそれより

長い犬歯が覗き、そこには真っ赤な血が僅かに流れていた。




(あいつは・・・・・・・は、てめぇの血を飲んでんのか!!?)




「・・・はっ・・・・・ふ、ぅ・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


一息つくと、やっとは腕から口を離した。

その白い腕に2つの噛み痕を残し、唇を紅に染めて。



















>>後書きと書いて言い訳と読む
とうとうUPすることができました!!
この作品は、数年前から設定やキャラを考えてきたので、
長かった・・・・と嘆息しております。
私は亜久津に1番似合う場所は屋上だと思うので(←何故)、
主人公との出会いの場所にしてみました。
あ・・・・・名前、1回しか出せてませんね・・・・・・OTL
・・・・・・・まァ、次回から出来るだけ名前出していきますので、
どうかお付き合い下さいませ。


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