降り注ぐ無数の花びらの中に、私はいた。
ひらり、ひらり。
まるで墨を流しこんだかのような暗闇の中にいるのは確かなのに、
私と花びらだけがはっきりと黒の中に浮かび上がっている。
これは夢なんだろう。でなきゃ、こんな現象は有り得ない。
顔を掠めて行く花びらの感触を楽しみながら、私はぼんやりと考えた。
でも、それにしてはリアリティのある夢だな―――………。
『―――……御待ちしておりました、我等が神子姫』
「――――………誰?」
ふいにかけられた声の方へ顔を向けると、8人の男女が膝を突いていた。
中華風の時代がかった服。
その内の1人――…剣を帯び、どうやらその集団のリーダー格らしい青年が顔を上げた。
『我が名は天龍八部衆が一人、碧 蒼天。お迎えにあがりました、我等が天龍
の神子』
碧 蒼天―――……この人は何を言っているんだろう?
私を迎えに来た――…天龍の、神子…………?
「何を言って…………」
いるの、と続けたかったけれど、それは急に吹き付けた風が起こす花嵐にかき消された。
ザァザァ、ザァァァ――――…………
『………もう、時間切れのようですね。では……また御会いしましょう、神子』
「―――………はい、分りました。今日の打ち合わせは延期ってことで。
―――……いえ、かまいませんよ。では、また」
そう言うとは携帯の通話ボタンを切った。
液晶画面に表示された時刻は、午後3時を回ったところ。
「まだ時間あるし……ちょっとぶらぶらしてから帰ろっかな」
見上げた太陽は何故か、いつもよりも不思議と光が強いように思えた。
あっつんを叩くなんて耐えられない!!という心優しい神子様は
どうかやさしくぽちっとして差し上げてください。
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>>後書きと書いて言い訳と読む
やっと出来た・・・・・・・・!!悲願の遥か夢UPw
自分の気力・体力・時の運がある限り、頑張って逝こうかと(ぁ)思います。
それでは皆様、どうかお付き合い下さいませv